国立ハンセン病資料館

おでかけ

8月のやりたいことリストに入れていた、国立ハンセン病資料館へ行ってきました。

 

先日、たまたま新聞で多磨全生園の義肢装具士 後藤直生さんのコラムでこの資料館のことを知り、興味を持ったので今回足を運んでみました。

ハンセン病について何となくは知っていたけど、実際に資料館で展示を観て、患者の方々が、病と差別・偏見という二重の苦しみに長い間耐えてきたということを知り、胸が痛みました。

差別や偏見は私たちの無知が原因であること、だからこそ私たち一人ひとりが「きちんと知ること・知ろうとすること」が、社会に生きる人間として本当に大切なことなのだと改めて思いました。

 

資料館では生活のデザイン展という企画展が開催されていたのですが、義肢以外にも様々な工夫が施された自助具(生活の道具)が展示されていました。

あるスプーンは、まるでユリ・ゲラーのようなひねりを加えてありました。

既製品の真っ直ぐなものだと腕や手の障害のため口まで十分運ぶことが難しいので、スプーンの方を少し曲げて使いやすく工夫してあるのです。

まさに道具を”自分仕様にカスタマイズ”という感じです。

それを見たとき、ハッとしました。

私は、物や道具に多少使いにくいところがあってもそのまま我慢して使い続ける(それすら無意識)、もしくは新しいものに買い替えるぐらいしか思いつきませんでした。

便利グッズは世の中の誰かが考えてくれるもので、私はそれを待つだけの、受身的な使い手だったんですね。

でも道具とは、本来こうやって自分に合わせて使いやすく工夫を加えていくことで、初めて使いこなせるようになる。

道具の能動的な使い方を教えてもらったような気がしました。

既製品が自分に合わず使いにくかったら、道具の方を使いやすく変える。

使い手の方々の逞しさのようなものに感銘を受けました。

 

常設展と企画展、両方観ることができて本当に良かったです。

企画展は今月末までとのことですので、興味を持たれた方はぜひ足を運んでみていただければと思います。

生活のデザイン展

 

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