3月25日の夕方、帰宅途中にスーパーへ寄った。
いつもより大勢のお客さんがレジに列を作っていた。
よく見ると、かごいっぱいの食料、カートに飲料の箱を2箱、お米を2袋など、明らかにいつもと違っていた。
店内の棚も、いつもより商品がかなり減っていて、買いだめが始まってる・・・?と、感じた。
18:00頃だったので、まだ小池知事の会見前の話だ。
本当は2Lのお水のペットボトルを2本だけ買う予定だったのに、不安になって4本かごに入れた。
買う予定のなかった炭酸水、ワインと納豆も。
家に帰って夕飯を取り、録画していたドラマを夫と観て22時過ぎにヤフーニュースを見たら「都市封鎖」の文字が躍っていた。
夕方のスーパーの光景を思い出し、ロックダウンにならなくても確実に買い占めパニックが起こると思い、慌てて23時まで空いている近所のスーパーへ自転車を走らせた。
またお水を4本、いつも買っているコーヒー豆を1袋、夫がよく飲むソーダ缶を4本、オーブンシートを1本買って帰った。
翌日26日、もともと昼過ぎに歯科へ行く予定があり有休を取っていたのだけど、朝はいつも通り起きて、近所のスーパーへ開店時間の9:30に入店。
平日なのにたくさんの人が買い物に来ていて、朝10時前なのにトイレットペーパーの棚は残り数パックしかなく、すぐに手に取らないとどんどん売れていく。
私も急いで1パック手に取る。
レジに並ぶと、周りのお客さんは昨日同様にかごいっぱいに食料品を買っていた。
家に戻ってトイレットペーパーを置き、また自転車を走らせて違うドラッグストア2件まわるも、すでにトイレットペーパーは売り切れていた。
ホームセンターに行ったらやっと見つかり、いつもなら絶対買わない12ロールで600円もするトイレットペーパーを躊躇なく手に取り、レジへ向かった。
また家に戻ってそのトイレットペーパーを置き、また自転車を20分走らせて業務スーパーへ行った。
そこでも普段の土日より明らかにお客さんが多かった。
いつも必ずストックしているトマトの缶詰4缶、キドニービーンズ缶詰2缶、ジャム1瓶、くるみ1袋、砂糖1袋、ピザ用チーズ1袋を買った。
本当は強力粉を買いたかったのだが、すでに売り切れていたので、家に帰る途中に別のもう1件のスーパーに寄り、強力粉を2袋買った。
レジに並んでいたら、私が買ったのと同じ強力粉を、1箱(たぶん10袋とか30袋入っている)丸ごと買っているお客さんがいた。
11時半前に家に戻り、支度をして夫と歯科へ行った。
電車に乗ると、思ったより乗客が多くてちょっと驚いた。
でも、そういう私たちだって外出してるじゃん、と思い、何となく悪いことをしているよう複雑な気持ちになった。
電車内で咳をする人がいて、見ないようにしようと思い下を向いたけど、心がざわめく。
歯科の待合室でテレビが流れていて、お昼のバラエティー番組が渋谷の複合施設を楽しそうに紹介していた。
さすがに今日以降は誰も行かないんじゃない?と思いつつ、きっと撮影したのはだいぶ前か・・・などと思いながら待合室で時間をつぶす。
時折、受付の女性が診察予約の電話を受けていて「通常通り診療しています。・・・あとはご自身のご判断で・・・」などと受け答えしていた。
診察が終わってから夫と近くのマクドナルドで遅めの昼食をとった。
がら空きかと思いきや、半分ぐらいは席が埋まっていて、長居してるのか、食べ終わってもスマホやPCをいじってる人もちらほらいて、意外とみんな気にせず外食してるんだな・・・と思い、人のこと言えないか・・・とまた複雑な気持ちになった。
帰りの電車でも、行きと同じくいつも通りの乗客数だった。
隣のサラリーマンが軽く咳をして、思わず下を向く。
夕方家に着き、夕飯の支度をする。
夫が「あ~、疲れた!」と言ってネットしたりプレステやったりしているのを見ながら、私だって付き添いで歯科へ行った上に朝はひとりで6件もはしごして買い物したのに・・・私の方がよっぽど疲れてるのに・・・ともやもやした。
でも、私が夫に当たって喧嘩しても無意味だし、外国人というだけで、日本人の私以上に心労が多いのに余計な負担を与えるべきじゃない、と思ってグッとこらえた。
夕飯が出来上がり夫をキッチンへ呼ぶと、「ワイン開けようよ」と言われて、一瞬、今日はそんな気分じゃないんだけどな・・・と思いつつも「うん、いいよ」と答えた。
夫と食べ始めてすぐ、私が不注意でワイングラスを倒してしまった。
まだ一口しか飲んでなかったので、グラスいっぱいのワインが机、夫のお皿、夫の足へ思い切りかかってしまった。
ごめんと言いながらタオルで拭きつつ、普段ならワイングラスを倒すなんて絶対しないので、とても動揺してしまった。
夫は驚きつつ「大丈夫。何でもないから」と言ってグラスにワインを注ぎなおしてくれ、食事を再開したが、また1口飲んだ後にグラスを倒してしまった。
さすがの夫も無言になってしまい、今まで張りつめていたものが切れるのを感じた。
先ほどと同じくこぼしたワインを拭いていたら、涙が出てきた。
別に自分も身近な人もコロナに感染した訳じゃないし、職場も今のところ通常営業だし、今日街で見た光景もいつもと変わらなかったし、ただ今朝行ったスーパーやドラッグストアで買い占めの光景を目の当たりにしただけなのに。知らず知らずのうちに影響を受けていたのかもしれない。
本当はすごく心が疲れてしまったのかも。
と思いながらも、本当はそれだけじゃないと心の中で声が聞こえた。
普段なら絶対に、私は買い占めや買いだめをしない。
震災の時も、昨年の台風の時も、2月のマスクの時も、3月初旬のトイレットペーパーの時も、必要量以外は絶対に買わなかった。
私の理性と価値観が許さなかったから。
買い占めのニュースを見ては「なんて浅はかな人々だ」と軽蔑さえした。
それなのに、今回は「今度は今までと比べものにならないほどのパニックになる」と、率先して買いだめに走ってしまった。
自分が一番軽蔑していたものに変わってしまったことが本当にショックだった。
夫は、何も言わずにしばらくそっとしておいてくれた。
私が泣き止んで、食事を食べ終えて片付けをし出したら、ちょっとおどけてジョークを言ってくれた。
それなのに私は「そんな気分じゃないからやめて」と言ってしまった。
夫は何も言わずに、歯磨きしてからプレステを再開した。
シャワーを浴びたらようやく気持ちが落ち着いたけど、その日は早くベッドに入った。
ここまでお読みくださりありがとうございます。いきなりいつもと違う内容を書いてしまい、驚かせてしまったらごめんなさい。
私はふだん、ちょっとおちゃらけつつ、ポジティブになるようなことを書こうと意識しながら、のんびりブログを書いています。
本当は、コロナで世の中が大変なことになってるからと言って、あえて私のブログでコロナについて触れる必要があるのだろうか。
読んで下さる方の不安を煽るだけなんじゃないか。
また、いつも偉そうにメンタル鍛えてるみたいなこと書いてるのに、たった一日、買い占めを目の当たりにしただけで、こんなに動揺してしまった、カッコ悪い自分をさらけ出すことにもかなり迷いました。
でも、うわべだけきれいに書き繕っても、いつかは皆さんには伝わるような気がしたので、正直に書くことにしました。それと、自分への戒めの意味も込めて。
私と似たような境遇の方(国際結婚していたり、ご主人が無職だったり)は、日本だけじゃなく、配偶者の国の方がさらに深刻で、家族や友人のこともきっと不安かと思います。
また、逆に欧米その他配偶者の国で暮らしている方は、アジア人と言うだけで、いつも以上にいらぬ偏見の目を向けられ、もっともっと大変な中で日々を過ごされているかと思います。
日本のニュースやネット情報を観て、あまりの呑気さにきっと閉口されているかもしれません。
私の夫も絶対に口には出さないけど、こんな状況の中で異国で暮らすのは、私には想像できないほど、日本人以上に不安を感じているかもしれない、と思います。
出来ることは限られるし、これからが本当に大変な状況になることは確実だと思います。
さらに、感染が収まってからの方がもっと大変だろうとも思いますが、私たちみんなが、心の平安を取り戻せる日は必ず来ると信じています。
最後に、先日読んだ、ケリー・マクゴニガル著「スタンフォードのストレスを力に変える教科書(The Upside of Stress)」の中で、私の心に残った一説を紹介します。
まず、今のあなたの状況を考えた時に、どんな感情や考えが沸き起こってくるかを感じてみましょう。
不安や、体の痛みや、怒りや、失望や、自信のなさや、悲しみなど、自分が感じている苦痛を素直に見つめてみます。
つぎに「こういう苦しみは、人間なら誰でも経験するのではないだろうか」と考えてみます。
あなたと同じように、痛みや、後悔や、悲しみや、不当な仕打ちや、怒りや、恐怖を感じるつらさを、身をもって知っている人がたくさんいます。
(中略)
その人たちのことを考えて、自然と思いやりが沸いてくるのを感じましょう。
ーみんなそれぞれの状況で、どんな思いを味わっているか、そのことに思いをはせるのです。
(中略)
「わたしたちみんなが、自分はひとりではないと実感できますように」
スタンフォードのストレスを力に変える教科書 / ケリー・マクゴニガル 【本】 価格:1,760円 |
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コメント
かぜうささん
こんにちは
その後いかがお過ごしでしょうか?
ブログをアップされていないので、どうされているか気になって何度もチェックしています。
お元気で再開されるのを楽しみにしています。
みみさん
コメントありがとうございます!
前回、とってもネガティブな記事を書いて、しかもしばらく更新なしでご心配をおかけし申し訳ありません。
こんな更新頻度の超低いブログなのに、見に来てくださり本当に嬉しいです(涙)
ちょっとプチ鬱になりかけてたのですが、コメントいただいて本当に元気が出ました。
落ち込んでる場合じゃないですね!
更新、もうちょっと頑張りますので、またいらしてくだされば嬉しいです(^^♪
かぜうささん
ブログ再開されて嬉しく思います。
私も、長く仕事収入がない、プライド高いフランス夫を支えて約4年になります、時々辛いなぁ苦しいなぁと思う時、かぜうささんのブログから共感したり勇気もらったりしています。
いつも優しい目線でゆるりと幸せに暮らしていらっしゃるかぜうささんを心から応援しています(こちらが参考にさせて頂いているのに応援という言葉は変ですけど、笑)
ブログ再開良かったです。
みみさん
お返事ありがとうございます!
そうなのですね。
プライド高い・・・ってとこ、うちの旦那も当てはまる節があるので(笑)、ドキッとしてしまいました(;’∀’)
こんな拙いブログなのに、応援していただけて本当に嬉しいです。
私こそ、ブログ書いててよかった・・・と、勇気もらいました。
辛い時もありますが、お互い頑張りましょう!