今年の2月、八戸で能面の個展を観たのがきっかけで、能舞台に興味を持ったかぜうさ夫婦。
その後、能の世界に少しずつ導かれ、ついに先日、能楽堂へ足を踏み入れました・・・!
訪れたのは、水道橋駅近くにある能楽堂。
五雲能という公演に行ってきました。
自由席だったので好きなところに座れたのですが、開園20分前ぐらいに着いたら、すでに大勢のお客さんが!
観客は8割ぐらいが50代以上。(シニアが圧倒的に多かった)
でも、若い方もちらほらいました。
私はその中間ぐらい(笑)の年齢です。
今回は、13時から3幕の公演で、間に15分の休憩がありました。
セリフとか難しくて、内容が全然わからないかも・・・と心配していたら、入口でそれぞれの演目のパンフレットをもらえました。
あらすじや見どころを、わかりやすく解説していたので、始まる前にざっと読んでおきました。
1幕目の「和布刈」は、早鞆神社で大晦日にワカメを刈って海の神様にお祀りする神事の日、神主たちが神事を執り行おうとしていると、漁夫と海女がやってきます。
※パンフレットの写真。ふたりがやってきたところ。
漁夫が、彦火々出見尊(神様)と龍宮の豊玉姫(こちらも神様の娘)の伝説を語ると、じつは自分たちが龍神と天女であることを明かし、消えてしまいました。
その後、龍神と天女が本当の姿で現れ、神事を執り行う・・・という、年末年始にふさわしい、とても縁起の良い演目でした。
実際に舞台を観て初めて知ったのですが、男性(人間)役の人はお面を被らず、神様・精霊・霊・女性(人間)のみお面を被っていました。
てっきり、全員被るものと思ってました(^_^;)
※パンフレットより。龍神は頭に龍の被り物をしてました!
そして、歩く姿、ひとつひとつの所作、セリフ、舞う姿などが、とてもゆったりとしていること・・・!
時短、倍速に価値を見出す現代の生活とは本当に真逆です。
今よりも寿命が短かかったのに、今よりもずっとゆったりした昔の人の時間の概念って、どんな感じだったのだろう。
橋掛かりから神様役が現れると、すぐに本舞台に進まず、しばらく(数分ぐらい?)じっと佇んでいました。
微動だにせず佇むその姿と”間”が、まるで本当に人間以外の何かがそこにいるかのように感じさせました。
2幕目の「葛城」は、山伏一行が葛城山で吹雪に見舞われ困っているところを、通りかかった里女に出会い、一晩泊めてもらうことに。
※パンフレットより。里女がもてなしているところ。
家で火を焚いてもてなしながら雑談しているうち、里女は「じつは自分が葛城山の神で、むかし山々の間に岩橋を掛けそびれたために、役行者に呪いをかけられて苦しんでいる」と告白し、消えてしまいます。
その後山伏が祈祷をすると呪いが解けて、葛城山の神がお礼に大和舞を舞って消える・・・
※パンフレットより。神様が本当の姿で大和舞を舞っているところ。
というお話でした。
あとで夫に、超簡単に翻訳してあらすじを説明したら、
えっ、神様に呪いをかける事ができるなんて、役行者(魔法使い)の方が神様より強いの?神様、弱くない・・・?
と突っ込んでました(笑)
たしかに・・・!
まあ、フィクションなのでね(^_^;)
1幕とはガラッと雰囲気が変わり、またクライマックスの神様の舞がとても美しく見応えがありました。
3幕の「土蜘蛛」は、源頼光が病の床に臥せっているところ、お坊さんに扮した土蜘蛛がやってきて襲おうとするも、反撃されて逃げ帰ります。
家来が血の滴りを追って、土蜘蛛の棲家にたどり着き、反撃されながらも退治する・・・というお話でした。
1、2幕目に比べるとかなり分かりやすいストーリーですが、最大の見所はアクションシーン!
本舞台、橋掛かりを大胆に移動しながら土蜘蛛と武士が戦うのですが、土蜘蛛の糸攻撃がすごい!
蜘蛛の糸を模した小道具を、シャーッと本当に投げてました!しかも何度も(笑)
※パンフレットより。蜘蛛の巣攻撃!
1、2幕目は舞が見せ場でしたが、3幕目はアクションシーンと、能舞台の幅広さと奥深さにびっくり。
そして、能の知識がなくても&セリフが全部分からなくても面白くて引き込まれました。
帰り道から夜寝るまで、夫と能舞台の感想をおしゃべりしながら過ごしました(笑)
またぜひ観に行きたいです・・・!
今日もお読みくださりありがとうございます。
素敵な一日を! ↓
コメント